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精神に起こる種々の問題について

概要

[2025-06-21 Sat] 作成.

近年日本でも発達障害が知られるようになった。
とはいえ現状は雑なレッテル貼りに使われることばかりで、正しく理解されているとは思えない。

これらが問題になるのは、健常者とは一見して区別が付かないが、思考の特徴などから周囲の人を困らせたり、また自らが困ったりする点であろう。

また学校や職場で問題を起となりがちな精神的特性は発達障害だけではない。
ここでは一見すると健常者とは区別しづらい各特性の簡単な傾向を紹介するに留める。
関心を持った特性について、MSDマニュアルなどの有効なソースを各人が自主的に調べることを推奨する。

なお、自己の生きづらさに名前が付いている可能性を知ってほしいという観点から各種障害を紹介するのであって、周囲にいる迷惑な人に近い特性を見つけては当人にレッテル貼りをしたり噂の種にしたりすることを推奨するために使用していただきたくないという事だけは先にことわっておく。

発達障害

日本では一括りに発達障害と呼称されるが、英語ではこの括りが用いられることは少ない。
理由として、その構成要素である ADHDASDLD ・ PDD などが互いに大きく特徴が異なることが挙げられる。

ただ共通している点として、幼い頃からその特徴が現れるということがある。
親や先生などから関係するエピソードを証言されると、診断が下りやすくなると言われている (これは逆に「エピソードがないと診断は下りにくい」ということでもある)。

ADHD
注意欠如多動症。
脳内が常に活溌に活動し、そのためじっとしていることが苦痛であったり、集中することが難しかったりする。忘れ物や失くし物、遅刻や見落とし(いわゆる「やらかし」)が多い。
かと思えばゲームや SNS に依存しやすい傾向もある。子供のうちは健常者も衝動的で不注意が多いため、発覚するのが成人してからということもよくある。
ASD
自閉症スペクトラム障害。
昔は自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害・小児期崩壊性障害などと呼ばれたが、現在ではまとめて ASD とされた。
他の症状を併発することがよくある。てんかん・感覚過敏あるいは頓麻・知的障害など。
知能も言語発達も問題ない(むしろ健常者より発達していることもある)ものを特にアスペルガー症候群と呼ぶ。
コミュニケーションに問題があり、興味の幅は狭く、反復的な行動がある。
コミュニケーションに難を抱える精神的な特徴は別の障害とも共通するため、他人との交流が難しいということだけで ASD であるとは言えないので注意。 スキゾイドパーソナリティ、回避性パーソナリティなど、コミュニケーションに問題を抱えやすい障害も参照のこと。
LD
学習障害。
知的には問題がないのにも関わらず、文字が頭に入ってこない(識字障害)など、健常者と同様の機能を発揮できない障害である。
学習の場で問題となるため、多くは子供のうちに親が気付くなどするために発覚しやすい。

パーソナリティ障害

人間誰しも感情や思考に偏りはあるが、それらが強すぎるために生活に支障をきたしているものをパーソナリティ障害という。全部で 10 種類あり、人によって特徴の強弱があったり、併発したりする。
○○パーソナリティ障害と記述すると長いので、○○の部分だけ記載する。

猜疑性
他者を過剰に警戒し、疑う。
過度に嫉妬深かったり、些細なことに敵意を見出したりする。
シゾイド あるいは スキゾイド
寂しさを感じにくく、他者にあまり興味がない。可能な場面では、一人で活動することを強く好む。
統合失調型
他者の行動をコントロールしているのは自分であると考えたり、個人的な儀式を行うなど、奇妙な思考と行動様式を持つ。
統合失調症と共通する特徴であるが、それとの区別が必要。
反社会性
自分の行動が自他にどんな影響があるか考えずに、望むままに行動する。
物の破壊、自己正当化、法の軽視、無責任感などを伴う。
ボーダーライン
極度に孤独を恐れる。俗にメンヘラと呼ばれたりする。
恋人や友人から見捨てられるのではないかと常に不安を抱き、衝動的に自傷行為に及ぶ。
演技性
注目を集めるために挑発的な服装をしたり、誘惑したりする。
流行に敏感で、周りからは芝居がかって見える。
自己愛性
自らが特別であるということを常に周囲に誇示したい性格。
有名な人や組織と繋がりがあることを誇示したり、周りの業績を過少評価したりする。
特権意識があり、他者を踏み台にすることを厭わない。いわゆるナルシシズム。
回避性
自分への批判・拒絶・嘲笑などを過度に恐れ、リスクを避ける。
親密になることをためらったり、他者よりも自己が劣っていると考える。
依存性
誰かに依存しなければやっていけないと確信している。
重要な決定であるほど、自分がどうすべきか他者に決断してもらおうとする。
強迫性
公共・自己のルールに強く囚われる。
柔軟性に欠け、完璧主義的でもあるため、誰かに仕事を任せることが難しい。

その他の精神疾患

上記以外にも精神や脳機能の異常や誤動作による様々な精神疾患が存在する。
一時的なものと生涯を通して向き合わなければならないものとがある。
その中でも比較的社会的に受け入れられているものを紹介するが、ここに記載するものが社会的に受け入れられているものの全てではない。

緘黙症
環境によって、ついおし黙ってしまう症状をもつ。
場面緘黙や選択性緘黙などという。
書痙
字を書く時(特に見られているとき)に緊張などで震えてしまう。
多汗症
緊張などで必要以上に汗をかく。筆記試験などで問題になる。
うつ病
あらゆる意欲の不振、希死念慮、快楽消失などのうつ症状を伴う。
なお、うつ症状を引き起こす障害は複数あるため、うつ症状イコールうつ病ではない。
双極性障害
いわゆる躁鬱病。活動的な躁状態と意欲のなくなるうつ状態を繰り返す。
社交不安障害
他者から評価されることを恐れる。
赤面恐怖症、視線恐怖症、醜形恐怖症など、様々な症状を呈する。
適応障害
社会集団への適応が難しい場合に診断されることがある。
うつ症状を呈するが、その集団から離れることで改善が見られるものをいう。

Created: 2025-06-29 Sun 16:21